特別対談 麻生直前会頭×森谷理事長

今年度は神戸青年会議所より日本青年会議所に第73代会頭小西毅君を輩出しました。2026年には全国大会主管を務めるLOMとしてJAYCEEとしての心構えや今後取り組んでいくべき方向性を考えるべく麻生直前会頭との対談を企画しました。

Profile

麻生 将豊(あそう まさひろ)
  • 1984年生まれ
  • William Jewell College 卒業
  • 大学卒業後トヨタ自動車九州に入社
  • 2014年に麻生商事に入社し、現在代表取締役を務める。
【JC歴】
  • 2013年 飯塚青年会議所に入会
  • 2013年 まちづくり委員会 委員長
  • 2020年 理事長
  • 2021年 日本青年会議所 総務グループ担当常任理事
  • 2022年 日本青年会議所 副会頭
  • 2023年 日本青年会議所 第72代会頭

 

森谷 圭(もりたに けい)
  • 1988年生まれ
  • 立命館大学卒業
  • 株式会社モーリヤ専務取締役
【JC歴】
  • 2017年 神戸青年会議所に入会
  • 2020年 SDGs推進特別委員会 委員長
  • 2021年 近畿地区協議会 総務・広報戦略委員会 委員長
  • 2022年 副理事長
  • 2023年 日本青年会議所 対内広報確立委員会 委員長
  • 2024年 神戸青年会議所 第66代理事長

 

現代に求められるリーダー像とは

森谷理事長(以下M):本日はお忙しい中、ご来神いただきありがとうございます。また昨年度は大変お世話になりました。麻生直前が会頭として日本JCを牽引されていた時に、委員長として素晴らしい経験をさせていただき感謝しております。そんな麻生直前と対談させていただけることが、大変嬉しくもあり、まためちゃくちゃ緊張しております(笑)

麻生直前会頭(以下A):昨年は頑張ってくれてありがとうございました。撮影業務の一環で日本全国のブロック訪問に帯同してくれて本当に大変だったと思います。まぁ、森谷当時委員長が全てに来てくれていたかはこの場では伏せておきましょう(笑)

M:お気遣いいただきありがとうございます(笑)早速本題なのですが、私は神戸JCの理事長に就任するにあたり、格好いい存在でいないといけないなとか、ポジションとして憧れるような存在にならないといけないなっていうプレッシャーみたいなのものを感じておりました。LOMにて理事長、そして日本JCで会頭を経験された立場からアドバイスはありますか?

A:格好つけるのは会議とか、公で人前に立つときでいいと思います。僕が昨年会頭やっていたときに例えると、理事会構成メンバーというのは身内になる、言わば仲間みたいなものだよね。
だから彼らには少なくとも素で接していて、それが理事長の立場になるとおそらくメンバーにあたります。彼らに対しては素のままでいいんじゃないかな。
ただ、会議や会員会議所、例会等、人前で立つ場面だと会頭という職、理事長という職を演じなきゃいけない場面はいっぱいあるから、そこでは格好つけるべきだと思う。
普段から格好つけてるとメンバーのみんなも、「あの人、理事長になっていきなり変わったよね」って思われるから注意した方がいいよ(笑)
多分、そのままの森谷理事長が好きで皆が応援してくれてるわけだから、それを理事長として演じ過ぎちゃうと、きつくなると思いますね。

M:実体験に基づくアドバイスありがとうございます。

A:あとは、うちのLOMって理事長も理事会で当たり前のように意見していいんですよ。正副でも当然同じようにやるべき。理事長だから、といって自分の言いたいことを我慢するのは違うと思うので。
振り返ると、会頭のときも同じようにやってましたね。でも、基本僕が意見したり怒るときは、自分でやるって言って、覚悟を決めたのにやってこなかったとき。そして、義理人情の部分も大事にしてました。人として大切な部分、各地会員会議所や各協議会に対して日本の議長・委員長が失礼な対応をした時は、めっちゃキレてました(笑)

M:私は総務グループの所属だったので、多くの会議にオブザーブ参加させていただいておりました。確かに、麻生当時会頭のそのようなお姿を何度か拝見しておりましたが、私はそこにリーダーとしての背中を感じていました。
「俺は本気だぞ!!」という麻生当時会頭の熱意がひしひしと伝わり、改めてスイッチの入る瞬間でありました。
そして、普段は議長・委員長にもフランクに接しておられながらも、対外での振る舞いに際しての切り替えはすごく学ばせていただきました。
また、全国のブロック訪問の際に話されていた拡大活動の話がとても印象に残っていて、LOMにおける拡大活動の成功談等をお聞かせ願えたらと思います。

全方位の協力なくして会員拡大活動に成功はない

A:当時入会3年目だったかな、2014年に会員拡大の特別室の室長をさせていただいて、しかもメンバーは副室長とたった2名で拡大活動と育成を担当しました。
そのときに感じたのはLOMのメンバーは会員拡大に決して協力的でないということ。もちろん「全員で拡大活動しましょう!!」とはなるんだけど、実際は難しい。別に自分が拡大活動しなくても、誰かがやってくれるんじゃない?みたいな雰囲気もあったり。
そのときに副室長と相談していて、僕達現役の倍以上会員数のいるシニアメンバーに協力を仰ごうとなったんです。
それでシニアの総会でこんなスピーチをさせていただきました。
「拡大活動をしていますが、苦戦しています。様々アタックする中で、JCなんてお酒飲んで騒いでる団体でしょう??と言われました。僕たち現役は今やコンプライアンスがつきまとい、そんな飲み方をしていません。世間の青年会議所に悪いイメージをつけた先輩方からメンバーを紹介いただかないと困ります」と。
はい、先輩からめちゃくちゃ怒られました(笑)ですが、その総会にたまたま来られていたチャーターのシニアの先輩が現役の言ってることを理解していただき、その先輩が、お孫さんや取引先の息子さんを紹介してくれました。そこからシニアの先輩からの紹介が増え、更にその入会したメンバーの意識が変わったところとかを見ていただき、その先のつながりの人たちも青年会議所に興味が出てきて、その連鎖から入会希望者が増えていくようになりました。
そして現役も先輩がそこまでやってくれているなら頑張らないといけない、と意識が変わっていったように思います。今や、会員拡大活動の3分の1はシニアの先輩からご紹介となり、それが毎年続いています。
全国を訪問してわかりましたが、会員拡大に成功しているLOMはシニアクラブとの親交が深く、日頃から交流している場合が多いですね。

M:ありがとうございます。昨年、そのお話を始めて聞いた時、「それ麻生会頭だから言える話!!!」とずっと思っていました(笑)神戸JCに当てはめると、毎年シニアの先輩から拡大のご紹介をいただいておりますし、シニアの総会や例会に現役理事長として参加させていただき、交流もさせていただいております。全国的にみても麻生直前会頭のおっしゃっている拡大に成功しているLOMとしての要素は十分にあり、私自身シニアの先輩方に日々感謝してばかりです。まさに全方位からの協力が会員拡大に重要であることを改めて理解いたしました。

現代のリーダーに必要な経験や素養とは

M:昨年の会頭での立場でリーダーシップや、普段の経営者におけるリーダーシップにおいて、麻生直前会頭がどんなポジションにおいても意識されてることがあれば、教えてください。

A:何個かあるんですけれども、一つは、いろんな人に会うことを強く意識しています。
食事に誘うのもひとつですね。「会うこと」を意識して行動していると思いがけない出会いがあったりするものです。
例えば、以前あったのは、たまたま同じ席で誰もが知るような企業の代表と一緒になったりとか。そういうところで出会った人って、自分には全く関係のない仕事の人なんですが、いろんな人と会うと自分の知識も溜まっていくんですよね。
読書も一見、知識が入ってくるようにみんな誤解するんですけど、全く知識になってないんですよ。それはなんでかっていうと、会話してないし、一方的に読むだけだし、全く知識として溜まってないんですよね。
何かを学ぶときによく言われますが、目で見て、聞いて、書いてみて、初めて覚えるんですよね。それと一緒でいろんな人と会話するとか、いろんな人と同じ時間を過ごすことによって得られるものなので、いろんな人と会う時間のコストを惜しまずにやるっていうのは自分を意識付けました。

また、会社の運営において意識してるのは、取締役や部長、課長がしてくる話で裏付けがないものは鵜呑みにしないということ。
仕事上の数字の話とか、そういう話に関しては別だけど、部下に対してやってることとか、部下たちがどういう仕事をこなしているかっていうのは、上司の話からだけでは全然見えてこないんで、40歳以下の社員と3ヶ月に1回必ずご飯を食べに行って、若手の社員からいろんな話を直接聞くようにしてました。
そして、結果でしか判断しない、というのも心掛けていました。やってるかやってないかっていう結果だけはちゃんと見るようにしてましたね。
過程を見るのは限界があるので、、彼らが成功体験として出してきたものが結果なんですよ。

最後にもう一つ、去年ブロックでも話しましたけど、「朝令暮改をしよう」っていうことですね。

M:朝令暮改って、朝に命令を出したものを夕方変えてしまう、という意味でしたよね?前言撤回のようなイメージがあり、決してプラスの表現とは思っていなかったです。

A:そうです。本来は悪い意味として捉えるんですけど、僕らって朝令暮改した方がいいんですよ。
これは横浜JCをご卒業された野並歴代会頭もよく言われていた言葉で、朝の自分より夕方の自分は1歩か2歩成長してるわけですよ。翌日、別のゴールに辿り着いても、それは構わないと思うし、逆にその方が成長した自分が選択した結果だからより良い可能性があるという意味です。
リーダーとして、より良い答えがあるならば、最初こう言ってたから変えないというのはおかしい。
時代がどんどん変わってきている中で、どんどん朝令暮改をして、ゴールをより明確にして、より素晴らしいものにして結果を出せるやり方は、リーダーとしてどんどんすべきことなのかなと思います。

M:朝令暮改、決して悪い意味で捉えることなく、成長した自分が選択したものだからより良い答えかもしれないという言葉に強く共感できました。

2026年全国大会成功に向けて

M:全国大会を2年後に控えて、今の神戸JCがすべきこと・意識すべきことがあれば何かアドバイスいただけますでしょうか?

A:一つだけ、全国大会に関して皆さんにお願いしたいのは、無理にメンバーを増やさない方が絶対いいということです。
人手が足りないとか、会費が足りないかもしれないという理由で無理やりメンバーを増やしましたってLOMが全国的にみてもいっぱいあるんですよ。
そういうところはみんな、後々きつい思いをしてます。LOMのブランディングにも悪い影響をもたらす可能性もあります。
是非、そうならないように、自分たちの適正人数の拡大を考え、あとは神戸のまちの力を活用することを意識してほしいなと思います。

M:ありがとうございます。全国大会もあるし数だけに注力しようというのは、陥りがちな認識だったので、これからのLOM運営に心掛けるようにします。

麻生直前会頭から現役神戸JCメンバーへメッセージ

M:最後に神戸JCメンバーへメッセージをお願いできますでしょうか。

A:会頭輩出LOMは本当に大変だと思います。良くも悪くも、全国的に注目される部分があるんですよね。
昨年、飯塚JCは会頭輩出LOMって言われてましたけど、正直むちゃくちゃしてました(笑)
ちょっと紙面ではお話ししづらいんですけども、ASPACや世界会議等、色んなところへ行った時も、会頭輩出のLOMだからと構えすぎず、普段のLOMのカラーの通り、楽しむところはしっかり楽しんでいました。
飲み過ぎてしまう?こともあったみたいですが、自分たちのLOMのカラーを残すのは大切なんです。
その中であのLOMはメリハリがあってすごいなって思わせたら勝ちなんですよ。
変にかしこまらず、自分たちのLOMのカラーを大事に1年間頑張っていただければなと思います。

また2026年に全国大会を主管されるにあたって、本当にこれから大変な道のりを歩まれることだと思います。
2022年、当時小西理事長から、神戸JCとして全国大会主管立候補に興味があるという話を聞き、それならば是非2026年にやってもらいたいと思ったんですね。
これから苦労することもあるし、本当に嫌なことも多々あるかと思います。
実際、全国大会が終わって一気に疲弊したLOMも多々あります。
でも僕が逆に思うのは、それによって結束力が高まって、できることっていっぱいあるかと思いますので、ぜひ全国大会をいいチャンスとしてみんなで考えて行動してもらうことが大事になると思います。
夢を持って活動していくことが、僕ら青年会議所に唯一残された心から楽しいと思える瞬間なので、頑張ってやっていってください。
応援しています。

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